ヘッジファンドとは?

ヘッジファンドとは?

ファンドとは?

ファンドとは? もともと、ファンドという言葉は証券業界の業界用語として昔から使われていましたが、一般的にファンドという言葉が使われ始めたのはバブル期が最初でした。
バブル期に「財テク」という言葉と「ファンドマネージャー」という言葉が一気にブレークしたからです。「財テク」とは財務運用テクノロジーの略で資金を効率的に運用して利益を得ることを意味し、バブル期には多くの企業が「財テク」に走りました。
そして、「財テク」を効率良く行うのが「ファンドマネージャー」の役割だった訳です。
当時の銀行や生命保険会社や大企業は多くの「ファンドマネージャー」を抱え、「特定金銭信託(特金ファンド)」というファンドを通じて株式の値上がり益を追求しました。
金融機関や大企業にとって「特定金銭信託(特金ファンド)」は、他の資産とは分離した勘定で運用できることとファンド毎の運用成績が一目瞭然であることがメリットと考えられ「特定金銭信託(特金ファンド)」の運用競争が繰り広げられました。
そのことがバブル相場の1つの背景でもあった訳です。
そのため、バブル相場を「ファンドマネージャー」相場と言い換えるメディアも現れ、「ファンドマネージャー」という職業に一躍脚光が当たりました。また、同時にファンドという投資形態にもスポットライトが当った訳です。当時からヘッジファンドも存在しましたが、運用の中心は「特定金銭信託(特金ファンド)」でした。
そもそも、ファンドとは直訳すれば信託ですが、運用にとっては非常に都合の良い形態として取り入れられていきました。例えば、大口の資金をファンドとして幾つかに分散しポートフォリオを組んで運用する訳です。そして、個々のファンドのパフォーマンスを競わせたのです。
従って、ファンドの範疇には「特定金銭信託(特金ファンド)」を始めとしてヘッジファンド・投資ファンド・ペンションファンド(年金ファンド)・投資信託(ミューチアルファンド)などがあり、現在の株式運用には無くてはならない投資形態になっています。


ヘッジファンドの特長

一般的にヘッジファンドとはプライベート・エクイティ・ファンドとも呼ばれますが「機関投資家や個人から私募の形で資金を集め、最新の金融工学の手法を駆使して高利回りを目指すファンド」や「絶対的収益を確保するために、ロングとショートを併用し、要求されるリターンとリスクに応じてレバレッジを利かせ利益を追求するファンド」などと定義されています。
つまり、ヘッジファンドとはプロのファンドマネージャーにお金を預けて、最新の金融工学とレバレッジを使って世界最高水準のパフォーマンスを目指すファンド(信託)を意味します。
ある意味ではヘッジファンドは投資信託と同じような仕組みと目的を持った金融商品と言えますが、ヘッジファンドは特定の投資家の短期的な高い利益を追い掛ける金融商品という点が1つ目の特長と言えます。つまり、航空便に例えると、ヘッジファンドはプライベートジェットであり、投資信託はジャンボの定期便という感覚です。
そして、ヘッジファンドも投資信託も個別の「特定金銭信託(特金ファンド)」として個別運用・個別管理・個別決算されるところは同じですが、殆どのヘッジファンドはプライベートな私募のファンドとして運用されていることが特長の2つ目と言えます。
そして、ヘッジファンドの特長の3つ目は、ロングポジション(買いポジション)もショートポジション(空売りポジション)も自在にこなし絶対利益を求めることです。
つまり、上昇相場に於いても下降相場に於いても最大限の利益を追求するのがヘッジファンドの特長なのです。
また、ヘッジファンドの特長の4つ目は、1つのファンドの運用対象商品に制限が無いことです。1つのヘッジファンドが株式は勿論のこと為替や商品で運用することも多いのです。そして、ヘッジファンドの特長の5つ目は、殆どのヘッジファンドはオフショア市場に籍を置き節税を目指しているということです。
そして、もっと解かり易い言い方をすれば運用の世界に於いてヘッジファンドは世界最高水準のパフォーマンスを求めて運用されている金融商品で、世界最高水準の運用成績を残せるヘッジファンドだけがトップクラスのヘッジファンドとして生き残ることができるのです。
そのため、常にヘッジファンドは最高の人材を世界から求めています。最高水準のパフォーマンスの実績があるファンドマネージャーを、高い報酬で引き抜いて来るのがヘッジファンドなのです。しかし、万が一、そのファンドマネージャーが一定の水準のパフォーマンスを上げられない場合は、ファンドマネージャーは直ぐに首を切られてしまいます。
その意味ではヘッジファンドは、運用の世界のメジャーリーグとも言える世界なのです。

ヘッジファンドを買うには

ヘッジファンドの特長 一般的にヘッジファンドは公開販売していませんから個人投資家が簡単に買うことはできません。また、殆どの著名なヘッジファンドは特別なコネクションがないと連絡することさえできませんから、買うには幾つかのハードルを越えなければなりません。
従って、国内で簡単に買えるヘッジファンドは、投資信託かヘッジファンド類似商品と考えた方が良いでしょう。特に、インターネットなどで宣伝しているヘッジファンドは、金融専門家が聞いたこともないヘッジファンドが多く「触らぬ神に祟りなし」です。
そこで、日本の個人投資家が最も簡単に本格的なヘッジファンドを買うには、距離的に近い香港で買うのも1つの選択肢と言えます。
例えば、香港でヘッジファンドを買うには次の様なルートが考えられます。
まず、フィナンシャル・アドバイザー経由でヘッジファンドを探す方法です。香港には独立した個人事務所を持つ多数のフィナンシャル・アドバイザーがおり、彼らは1人の個人投資家を長期間アドバイスすることによって息の長い投資家との関係を築づいています。
そして、独立したフィナンシャル・アドバイザーは様々なコネクションを世界中のヘッジファンドと持っていますので、良いフィナンシャル・アドバイザーを見つければ世界的に著名なトップクラスのヘッジファンドを紹介してくれる可能性があります。
その様なフィナンシャル・アドバイザーに運用のアドバイスを受けるには、最低でも1,000万円以上のお金を運用資金として用意しないと相手にされません。
そして、ヘッジファンドを購入するもう1つのルートは、金融機関である銀行や証券会社を経由する方法です。
香港の銀行や証券会社には運用サービス担当者がいますので、口座を開設して100万円程度の資金を預ければ運用サービス担当者が相談に乗ってくれます。
従って銀行や証券会社の運用サービス担当者を経由すればヘッジファンドを紹介して貰うことも可能です。それらのサービスが期待できる香港の主な金融機関は、HSBC・DBS・シティバンク・スタンダードチャータード銀行・中国銀行・中国工商銀行・ハンセン銀行・東亜銀行・中信嘉華などがあります。
その中でも、世界中に支店網を展開しているシティバンクの香港支店はオフショア業務に力を入れています。シティバンク香港支店では外国人向けのサービスをIPB(International Personal Bank)と呼び、日本語対応のスタッフを相手に口座開設手続を行なうことができます。
また、HSBCはイギリス・ロンドンに本社を置く世界的な商業銀行で世界の富裕層の運用管理でも有名な銀行ですが、HSBC香港支店は一定以上の顧客に対する金融サービスを基本としています。そのため、バンクリファレンス(他の銀行からの紹介状)を求められることと最低預入金額が設定されていますが、それらをクリアして口座開設すれば運用サービス担当者がヘッジファンド購入の相談に乗ってくれる筈なのです。