ヘッジファンドファンドマネージャー

ヘッジファンドファンドマネージャー

ファンドマネージャーを養成するには

機関投資家の代表格である生命保険会社や投資顧問会社は、常に、ファンドマネージャー不足に悩んでいます。但し、数の問題ではなく質の問題で悩んでいるのです。
つまり、生命保険会社や投資顧問会社は、常に、高いパフォーマンスを上げる有能なファンドマネージャー不足に見舞われています。何故なら、有能なファンドマネージャーを簡単に養成することはできないからです。
例えば、生命保険会社のファンドマネージャーは、定期異動で株式投資部や有価証券部に配属された人材の中から選抜されます。もともと、生命保険会社の株式投資部や有価証券部は重要な部署ですから、生命保険会社の中でも有能な人材が配属されています。
そして、その中から特に有能な人材をファンドマネージャーに養成する訳ですが、中々、養成法は定まっていません。つまり、どの様にすれば有能なファンドマネージャーを養成できるのかが、未だに解かっていないのです。例えば、経済理論や投資理論についての筆記試験や討論を行うことも1つの選抜方法です。しかし、その様な方法で選抜されたファンドマネージャーが、必ずしも良いパフォーマンスを上げるとは限らないのです。
一方で、選抜試験の成績が振るわなかった人が、抜群のパフォーマンスを上げることもあります。従って、良いファンドマネージャーを養成する効果的な方法は無く、良いパフォーマンスを上げるファンドマネージャーを選抜するには実際に運用させてみるしかないのが現状なのです。例えば、相場の先行きについて立派なプレゼンをする人の運用成績は全く振るわず、プレゼンは全く評価されなかった人が抜群の運用成績を収めることも良くあるのです。
つまり、運用には外からは見えない全く別の能力がいる訳です。運用シミュレーションでは抜群の運用成績を残す個人投資家が、実際のリアル取引では全く勝てないのと同じ理屈がそこには有るのです。

ヘッジファンドのファンドマネージャーは運用のメジャーリーガー

野球の世界はリトルリーグに始まり、高校野球・大学野球・社会人野球・プロ野球・メジャーリーグと階段を上っていきます。運用の世界も同様で個人のネットトレードに始まり、証券会社社員・機関投資家ファンドマネージャー・投資信託ファンドマネージャー・投資顧問会社ファンドマネージャー・ヘッジファンドファンドマネージャーと階段を上っていきます。
従って、リトルリーグや高校野球の選手がいきなりプロ野球に入っても成功しませんし、個人のネットトレーダーがファンドマネージャーの真似をしても良いパフォーマンスは上がりません。
つまり、ヘッジファンドのファンドマネージャーは、経済理論・投資理論・統計・テクニカル・チャート・株式トレード・為替トレード・債券トレード・アービトラージ・フューチャーなどの最高水準の知識と経験が要求される職業なのです。
現実的にはこれらの中から1つのスペシャリストとして実績を上げたファンドマネージャーが、ヘッジファンドにスカウトされる場合が多いと言えます。
或いは、スペシャリストとして実績を上げたファンドマネージャーが、自分のヘッジファンドファームを立ち上げるのです。