イベントドリブン戦略

イベントドリブン戦略

インサイダー情報と公開情報

インサイダー情報と公開情報 株式投資に於ける究極の投資情報はインサイダー情報です。インサイダー情報とは、企業の公開前の重要情報を意味します。
最近は上場企業に四半期決算が義務付けられていますから、四半期毎に企業は決算発表を行っています。例えば、その四半期決算で50%の増額修正を発表した企業の株価は、翌日、間違いなく上昇することになります。そして、その情報を事前に知って事前にその企業の株式を買った投資家は間違いなく儲かる訳です。勿論、この様なインサイダー情報に基づく投資は、違法であることは言うまでもありません。
一方で公開情報にも様々な段階の情報があります。例えば日経新聞の記事も3段階に分類できます。まず、1つ目は予想記事や見込み記事です。予想記事や見込み記事は記者の取材によって推測される事を記事にするもので、企業の業績を予想する記事などがこれに当ります。例えば、「今後、A社の業績は増額修正される見込みです」とか「B社の業績は前年を上回ることは確実です」などの表現がなされます。
2つ目は確定記事で「政府首脳によりますと~」とか「同社幹部の話では~」などの表現で、正式発表ではありませんが裏付けのある記事内容となっているのが特長です。
3つ目は正式発表記事で「官房長官は正式に次のように発表しました」とか「A社の決算が発表されました」などの記事に代表されます。
つまり、投資に於いては、これらの公開情報を見極めて将来の動きを予測することが重要で、インサイダー情報に限りなく近い情報を得ることも大事な作業なのです。
ヘッジファンドのイベントドリブン戦略とは、企業の業績発表や人事異動やM&Aや業務提携などの各種イベントの情報を読み解いて投資に生かす戦略を意味します。
そして、その中でも特に重要なのはM&Aと業務提携なのです。


M&Aと業務提携

M&Aと業務提携 M&Aとは企業買収を意味しますが1企業全部を買収する場合と、企業の1部門を買収する場合があります。また、業務提携は企業と企業がウィン・ウィンの関係を結ぶために行う業務提携の場合と、資本提携を伴った業務提携の場合があります。従って、後者の場合はM&Aに近い業務提携と言えます。
そして、投資に於いては、M&Aや業務提携が発表される前のタイミングや発表後のタイミングが絶好の投資機会になる場合が多いのです。ヘッジファンドはファンドマネージャーの人脈やネットワークを通じて、インサイダー情報に限りなく近い情報を基にして投資を行っていると言えます。
また、M&AにつきもののTOB(株式公開買付)に於いても、ヘッジファンドが資金力に物を言わせて参加する場合が少なくありません。