ヘッジファンドプログラム売買

ヘッジファンドプログラム売買

プログラム売買が生まれた背景

プログラム売買が生まれた背景 プログラム売買とは、一定のプログラムに従ってあらかじめ設定されたコンピューターが行う売買を意味します。東京証券取引所の定義ではプログラム売買は一度に25銘柄以上の発注を行う取引を意味し、一般的にインデックス売買やバスケット売買、コンピューター売買とも言われています。
この様なプログラム売買の必要性が増したのは1980年代のバブル相場でした。1980年代のバブル相場では出来高を伴った大型株が相場の主役でした。その結果、流動性が高まった相場に於いて、一度に数銘柄から数十銘柄の売買を同時に執行するニーズが生まれました。
また、日経平均株価が出来高を伴って上昇したため、個別銘柄を売買するよりも日経平均株価などのインデックスを売買する方が運用成績が良かったのです。その結果、日経225銘柄を同時に売買するプログラム売買が生まれた訳です。勿論、この背景にはITの進歩が有ったことは言うまでもありません。
また、同時に株式先物と日経225銘柄のアービトラージ(裁定取引)も活発に行われる様になりました。例えば、株式先物売りの日経225銘柄買いなどのアービトラージ(裁定取引)などです。従って、この場合、日経225銘柄をプログラム売買で買うことになりました。更に、投資信託に於いてもファンドマネージャーがアクティブに投資するファンドに対して、インデックスに連動するファンドが人気となりました。この様なインデックスファンドは、プログラム売買で取引を行っています。


ヘッジファンドのプログラム売買

ヘッジファンドのプログラム売買 ヘッジファンドに於いても、1980年代からニューヨーク市場や東京市場でプログラム売買は積極的に使われています。もともと、ヘッジファンドの中には、アービトラージを専門に行うファンドが少なくありません。その様なヘッジファンドのアービトラージには、プログラム売買は不可欠の取引なのです。
また、2010年に東京証券取引所が「アローヘッド」を導入し、より高速なプログラム売買が可能となっています。今やヘッジファンドにとって出来高や売買代金を伴う流動性の高い市場に於いて、プログラム売買は無くてはならない取引方法となっています。
また、プログラム売買の高速化に伴って、ヘッジファンドなどの機関投資家に対して個人のネットトレーダーが不利にならないかが懸念されています。