マルチ戦略

マルチ戦略

著名ヘッジファンドの運用手法

著名ヘッジファンドの運用手法 もともと、ヘッジファンドは、パフォーマンスの実績を上げたファンドマネージャーが新しいファンドを作る歴史の繰り返しです。
例えばヘッジファンドマネージャーの代表格とも言える「ジョージ・ソロス」と「ジム・ロジャーズ」は共同で「クォンタム・ファンド」を設立しましたが、「クォンタム・ファンド」の成功の後で2人の大物はそれぞれのファンドを設立して別の道を歩みました。
また、最近の例では「ジュリアン・ロバートソン」の「タイガー・マネジメント」のファンドマネージャーだった「チュース・コールマン」は、独立して「タイガー・グローバル」を設立し2011年に年率45%という驚異的なリターンを上げています。
つまり、ヘッジファンドの運用手法は、ファンドを立ち上げたファンドマネージャーの運用手法によって大きく異なると言えます。
そして、良いパフォーマンスが続く限り、ファンドマネージャーは自分の得意な運用手法を変えようとはしません。


マルチストラテジーファンド

マルチストラテジーファンド 一方、大規模ファンドの運用の場合、複数のファンドマネージャーが別々の戦略で運用を担当する事があります。例えば、イベントドリブン戦略とアービトラージ戦略の2つの戦略を用いる場合があることなどからも解かります。
これがヘッジファンドに於けるマルチ戦略と言われており、マルチ戦略を取るヘッジファンドをマルチストラテジーファンドと呼んでいます。
つまり、これも「ヘッジファンドの投資信託化」の1つとも言えるのです。もともと、投資信託には様々な運用規制が敷かれていますが、逆の言い方をすると規制している運用手法以外はどんな運用もできるということになります。
従って、1つの運用手法に徹するヘッジファンドに対して、マルチストラテジーファンドは投資信託に近いファンドと言えるのです。
つまり、運用手法が自由なヘッジファンドは得意な運用手法に徹する傾向が強く、運用手法を規制されている投資信託は規制されている運用手法以外の様々な手法を取り入れている場合が多いのです。