ヨーロッパのヘッジファンド

ヨーロッパのヘッジファンド

ロンドンのヘッジファンド

ロンドンのヘッジファンド	歴史的に世界の金融の中心は長くロンドンのシティが握ってきました。しかし、現在ではニューヨークのウォール街が世界の金融の中心であることに異論を唱える人はいない筈ですが、ロンドンのシティも独自の存在感を示しています。
特に、伝統的に中東地域と密接な関係があることから、ロンドンはオイルマネーの受け皿となっています。日本に来るオイルマネーもロンドン経由が多いことからも、その存在感は衰えていません。
従って、ロンドン拠点のヘッジファンドも少なくありません。特に、「マン・グループ」の運用資産は約5兆5,200億円と世界最大級のヘッジファンドとして知られています。
また、運用資産約2兆5,800億円の「ブレーベン・ハワード・アセットM 」や運用資産 1兆9,600億円の「ブルークレスト・キャピタルM」も良く知られたヘッジファンドの1つです。更に、債券運用系のヘッジファンドとして知られる「キャブラ・インベストメント・マネジメント」は運用資産約1兆1,700億円ですが、ロンドンを拠点にしたヘッジファンドとして知られています。
最近のロンドンのヘッジファンド勢に元気が見えない理由の1つに、ヘッジファンドに対する規制強化の動きがあります。
EUの金融当局は2008年の「リーマン・ショック」以来、ヘッジファンドを含めた資産運用や資金の流れに対する規制を強化しようとしています。そのせめぎ合いの構図は、規制に消極的なイギリス対規制推進派のドイツ・フランス連合という図式なのです。
特に、南欧諸国の信用不安問題が解決していないEUにとっては、頭の痛い問題となっています。


スイスのヘッジファンド

スイスのヘッジファンド スイスのジュネーブとチューリッヒも、歴史的にロンドンに勝るとも劣らない金融の拠点です。特に、スイスの特長はプライベート・バンクにあります。「ピクテ」などに代表されるスイスのプライベート・バンクは運用のパフォーマンスよりも守秘義務が徹底していることで有名ですが、勿論、運用のパフォーマンスが悪い訳ではありません。
従って、各プライベート・バンクに於いては小口のヘッジ・ファンドやプライベート・エクイティ・ファンドが活動していますが、その実態は全く公開されていません。
その様な中で積極的にヘッジファンドを展開しているのが「クレディ・スイス」です。
「クレディ・スイス」は独自の金融商品・戦略・地域をカバーしたヘッジファンド投資のソリューションを、カスタマイズ型と合同運用型で提供しています。
つまり、アメリカのヘッジファンドとは一線を画す様な、より投資信託に近いヘッジファンドと考えられます。
つまり、今後、規制が強化されるヘッジファンドの先行きを見据えているとも言えます。